ハトヤブの考察レポート

世の出来事の根本を掘り出して未来を予想する

トランプ外交とうまく付き合うには?

 皆さんこんにちは、ハトヤブと申します。前回と過去記事において私は現在の日中関係改善の機運は幻想であり、遠くないうちに「地雷」を踏んで破綻するだろうと予想しております。それは従来、経済における中国への協力を続けてきたアメリカが態度を翻し、これを抑制する方針を打って出たことに起因しております。日中関係は実のところ米中関係の従属変数の側面があり、アメリカが中国への関与策に意欲的な時は日中関係は良くなり、そうでないときは悪くなっているのです(数少ない例外が天安門事件での日本の天皇訪中ですが、あの時も欧米は中国の巨大市場への魅力を捨ててはなかったため大局的な関与策からの転換はありませんでした)。現在も依然として中国市場は巨大ではありますが、中国製造業の躍進、高度経済成長期の終焉、そして少子高齢化などにより、魅力は徐々に相殺されていくでしょう。

 

トランプ氏が日中の地雷を無力化する可能性

 ただし、私の予想には一つだけ穴があります。それは次期トランプ大統領の孤立政策です。過去記事においてトランプ氏はオバマ氏やバイデン氏と並び、アメリカの時代を終焉へ導くキーマンの一人として取り上げました。先日もウクライナ戦争において彼はアメリカの華麗なる敗北を演出することを予想しております。その背景としてアメリカ国民の厭戦感情、内向き志向、理想主義の敗北、国力のリソース配分があります。これは前向きに見れば対中国に集中できるとも見ることができ、実際次期トランプ政権の布陣はイーロン・マスク氏を除けば反中強硬派が多く登用されております。

トランプ次期米大統領は、中国を厳しく批判してきた共和党議員2人を新政権の外交・安全保障の要職に起用する構えだ。マルコ・ルビオ上院議員フロリダ州選出)を国務長官に指名する見通しで、ホワイトハウスの国家安全保障担当補佐官にはマイケル・ウォルツ下院議員(同)を充てる方針。(出典:トランプ氏、ルビオ氏ら対中強硬派起用へ-国務長官と国家安保補佐官,ブルームバーグ日本語版,2024.11.12., https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-12/SMTE5HT0AFB400)

 ただし、トランプ氏があまりに一国主義に拘るあまり、従来の同盟国や友好国を蔑ろにする傾向があります。例えばトランプ氏は中国にだけでなくメキシコやカナダにも25%の関税を敷くと表明しており、11月29日にフロリダの私邸でカナダのトルドー首相と会談した際、関税を止めるよう求める彼に対し次のような発言をしました。

これにトランプ氏は、米国から巨額の利益をむしり取らなければ生き残れないのかと反論。カナダが「米国の51番目の州」になるべきだと畳み掛けた。(出典:トランプ氏「カナダは米国の51番目の州になるべきだ」 トルドー首相に会談で揺さぶり,産経ニュース電子版,2024.12.4., https://www.sankei.com/article/20241204-MUSAUDMITNLYBBSP44LYGOF3JI/)

 一応これは冗談であり、その背景はカナダからアメリカに流れ込む不法移民や麻薬の取り締まりを「国家としてちゃんとやれ」と発破をかけたものです。しかし、このような稚拙な物言いは中国やロシアの大国外交と同一視され、アメリカの国際社会に対する信用を損なうものです。

 こうした彼の一国主義が日本に向けられる場合、日本がさらに中国傾斜し、結果的に地雷が無力化される可能性が考えられます。

せっかくの対中連帯を壊す「対中強硬派」

 その一例としてバイデン大統領が2022年5月に岸田首相と首脳会談をした際に発足を宣言したIPEF:インド太平洋経済枠組みについて、トランプ氏は大統領就任とともに破棄すると宣言しております。

環太平洋連携協定(TPP)からの米離脱を主導したトランプ氏は、IPEFを「TPP2」と呼び、大統領に就任次第「たたきのめす」と強調。
「最初のものよりも悪い。アジアへの外注を加速させるための巨大なグローバリスト的怪物で、農業や製造業を粉々にする恐れがある」と述べた。
(出典:トランプ氏、米大統領返り咲きならIPEF破棄へ,ロイター通信日本語版,2023.11.20., https://jp.reuters.com/world/us/BA4Y37QBHVOBJAMG4U64TQBP4U-2023-11-19/)

 もとよりTPP:環太平洋パートナーシップ協定は一帯一路で影響力拡大を図る中国に対抗する象徴になるはずでした。それを第一次トランプ政権では自国の都合で破棄したわけですが、新型コロナにおいて中国をサプライチェーンに組み入れていたことのリスクが表面化し、またハイテク産業において中国企業が日米の産業を脅かすようになってからは半導体など重要な戦略部品について中国依存を脱却する方向性になります。それでTPPに代わる経済協定の枠組みとして作られたのがIPEFなのですが、トランプ氏はアメリカですべてを作らないと許容できないようです。

 こうした連帯拒否の彼のスタンスは中国にとって追い風になる可能性があります。半導体分野においてアメリカの中国企業への締め付けは、まず第一次トランプ政権がエンティティリストに定めた中国企業に対しアメリカ製半導体関連部品の購入を規制し、その後バイデン政権が各国と協力した広範囲な規制へと発展させました。その一端がIPEF発足にも関わっているのですが、返り咲いたトランプ氏がそれをぶち壊してくれるならこれほどいいことはないわけです。

北京半導体行業協会の幹部は7日に「微信ウィーチャット)」に掲載された記事で、半導体企業に対し海外事業を強化し進出先を多様化するよう促した。
対中制裁のための日米欧の協調がトランプ政権下で弱まれば、特定の半導体の輸入を再開するチャンスがあるかもしれないと述べた。またトランプ政権が1期目のように、中国の学生や専門家が米国で働きにくくなる政策を実施すれば、中国企業は海外の人材誘致に乗り出すべきだと訴えた。(出典:焦点:中国半導体業界、トランプ政権下の米中対立に備え戦略模索,ロイター通信日本語版,2024.11.12., https://jp.reuters.com/world/us/MEU7UEPYKNPONKBU3IH2OY5ZHI-2024-11-12/)

 現在中国の半導体産業はアメリカの意図に反して独自のものが形成されつつあるという観測があります。彼らはトランプ氏の一国主義を逆手に取り本格的な半導体の自給を目指すでしょう。そしてトランプ氏の孤立政策の影響を受けた日本に対し、取り込みを図ってくるでしょう。
 またトランプ政権は台湾問題からも手を引く決断をするかもしれません。実は台湾問題についてバイデン大統領が防衛への関与を明言しているのに対し、トランプ氏は明言を避けております。それどころか台湾の半導体産業を敵視し、防衛費を払えと主張している始末です。

トランプ氏はブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで「私は(台湾の)人々をよく知っており、彼らを非常に尊敬している。彼らはわれわれのチップビジネスの約100%を取った。私は台湾がわれわれに防衛費を支払うべきだと思う」と語った。(出典:トランプ氏「台湾は防衛費払うべき」、TSMC株が急落,ロイター通信日本語版,2024.7.17., https://jp.reuters.com/world/taiwan/RVTDADHZABMLHO7GRO5K4BUORU-2024-07-17/)

 最近では台湾有事が起こったら中国に関税200%かけると言ってますが、軍事介入には否定的であり、バイデン大統領の「軍事介入はありうる」という発言からトークダウンしています。中国にとっては不介入ほどうれしいものはなく、それがトランプ次期政権の方針となれば米中は一時的な安定を得て、結果的に石破政権は地雷を踏むことなく親中路線を継続することができるでしょう。

火薬庫になる東アジア

 地雷を踏むことなく日中関係を促進する。それは石破政権や親中派にとっても幸いと思うかもしれませんが、東アジア情勢の不安定さは増すことになります。
 2024年12月10日、日本の九州から沖縄、台湾、フィリピンに連なる列島線(第一次列島線)を沿うように100隻近くもの中国艦が大規模に展開しました。

台湾当局者によると、中国が展開しているのは軍艦60隻以上と海警船約30隻など。台湾や日本の南西諸島周辺、東シナ海南シナ海で活動している。中国軍で対台湾作戦を担う東部戦区に加え、北部戦区や南部戦区に所属する軍艦が確認されたという。(出典:中国、軍艦など過去最大100隻近く展開 事実上の演習開始 台湾側分析,産経新聞電子版,2024.12.10.https://www.sankei.com/article/20241210-OZ7NRUIJIFK5PG55SYIR666534/

 その目的は台湾政権や日本、フィリピンへの軍事圧力のみならず、アメリカ軍に対する「領域拒否」の狙いもあるとされております。
 

中国が突破を目指す第一列島線

 

 中国の習近平国家主席は台湾統一を至上命題に掲げており、そのためにはまず独立志向が高いとされている台湾の頼清徳政権を倒すために台湾周辺の軍事活動を活発化させ、融和派の政権へ変えようとしております。アメリカが介入しないと確信したらより一層過激な軍事行動を仕掛けて準封鎖状態に追い込んでしまうでしょう。無論、習近平が「いける!」と判断すれば武力併合もあり得ます。

 第一列島線つながりでフィリピンに対する挑発も過激化しております。南シナ海スカボロー礁を実効支配している中国は係争相手のフィリピンの船に対し放水や故意の衝突による攻撃を繰り返しております。

フィリピン沿岸警備隊は4日、同国の排他的経済水域EEZ)内にある南シナ海スカボロー礁の南約30キロの海域で、巡回中の漁業水産資源局の船が同日、中国海警局の船から2度にわたって放水砲を浴び、右側面に故意に衝突されたと発表した。漁業局の船の航行アンテナが放水砲で直接狙われたとしている。(出典:中国、フィリピンの漁業局船に放水砲 航行アンテナ標的 両国の対立激化,産経新聞電子版,2024.12.4., https://www.sankei.com/article/20241204-7MIE5N3OWRJLBOPLZZEVZR4M6E/)

 衝突で思い出されるのは尖閣諸島沖で中国漁船が巡視船に体当たりした事件を重い出しますね。また放水もただの放水ではなく、人間が当たれば大けがする危険な代物です。
 

(前掲の産経新聞の記事より引用https://www.sankei.com/article/20241204-7MIE5N3OWRJLBOPLZZEVZR4M6E/photo/L2TWAY6IDRIJRBXN5JNI3H5JZ4/



 例によって中国はフィリピン側が衝突してきたと嘯き、自国の行動を正当化しています。現在日本の尖閣諸島には「機関砲のようなもの」を装備した海警船が日夜航行していますが、もしアメリカが不介入を表明すれば容赦なく行動をエスカレートしてくるでしょう。

 実際軍用機による示威行為も常態化しております。8月に両国の軍用機が日本周辺で活動し領空侵犯までしましたが、11月末にも爆撃機と戦闘機のスタライクパッケージを繰り出してきました。

 防衛省は30日、中国方面から飛来した中国軍の爆撃機「H6N」2機とロシア軍の爆撃機「Tu95」2機が沖縄本島宮古島の間を通過し、太平洋まで共同飛行したと発表した。4機は29日も日本海東シナ海で共同飛行していた。(出典:中国とロシアの爆撃機4機、沖縄本島宮古島間を通過し太平洋まで共同飛行…2日連続日本周辺に,読売新聞電磁版,2024.11.30., https://www.yomiuri.co.jp/world/20241130-OYT1T50176/)

 今回は領空侵犯はないようでしたが、もはや日本周辺をパトロール地帯か訓練所扱いにしています。この目的は日米のけん制などという表面的なものではなく、北東アジアでのプレゼンス強化という長期的なものです。だからトランプさんがいくらプーチン大統領が好きでも、台湾から手を引いて米中が安定化しても、中露の日本への示威行為は繰り返されるでしょう。

処方箋は安部外交にあり

 ここまで不安を煽る話をさせていただきましたが、トランプ政権が必ずしも日本を軽視して見捨てると決まっているわけではありません。何をするかわからないといわれるトランプ氏ですが、その行動基準はむしろ単純で「アメリカや自分に利益があるか」で決まります。だから物乞いのようにただ助けを乞うだけだと足蹴りにされてしまいますが、アメリカやトランプ氏自身に利益があると思わせれば心強いパートナーにすることができるのです。
 その筆頭格が何を隠そう今は亡き安部元総理でしょう。2016年に当選したトランプ氏に安部さんは就任前から会いに生き、蜜月関係を築きました。その結果日米関係は強固になり、国際社会においての日本の立場もかつてないほどに高まったのです。

「いや安部さんもう居ないからダメじゃん」と思ったそこのあなた。そう考えるのは早計です。確かに安部さんの人柄がトランプ氏を引き付けたのは否定できませんが、それだけで日米関係が良くなったとは言い切れません。

 それは安部さんの外交戦略にありました。彼はこれまで平和主義を金科玉条に掲げていた戦後日本と異なり、積極的平和主義を掲げて安全保障面での国際社会への関与を高めました。自衛隊の海外派遣や国際的な平和維持活動への参加を積極的に進めのはもちろん、憲法解釈を変えて集団的自衛権を限定的に行使する平和安全法制を作りました。

 またアジアとインド太平洋地域の安定と繁栄を確保するために、法の支配や自由貿易、人権の尊重を重視する戦略を提唱しました。「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」です。この戦略は、従来アメリカ頼みだった日本の安全保障を転換し、地域の国々との協力を通して中国に対抗することを目的としています。これを積極的に取り入れたのが、外ならぬトランプ氏でした。

 2018年11月トランプ大統領が訪日し、日米首脳会談で両首脳は日米が共同で①法の支配、航行の自由、自由貿易等の基本的価値の普及・定着②経済的繁栄の追求③平和と安定の確保という3本柱からなる「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進することで一致した。これは、中国の一帯一路構想の進展や一方的な海洋進出を念頭に、安倍首相の唱える「自由で開かれたインド太平洋戦略」が米国の新たなアジア太平洋戦略ともなったことを意味している。(出典:「自由で開かれたインド太平洋戦略」:その新たな展開と挑戦,一般社団法人 平和政策研究所 オピニオンレポート,2024.9.13., https://ippjapan.org/archives/8518)

 この自由で開かれたインド太平洋戦略は当時一国で世界の平和を維持することが困難になっていたアメリカには魅力的でした。トランプ政権が一期で終わってもそれはバイデン政権に引き継がれ、日本でも菅政権、岸田政権の外交の基盤になりました。そして日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4国で国際戦略を推し進めるクアッドを作り上げました。これも元をたどれば安部さんが掲げたセキュリティダイヤモンド構想です。
 

Quad構成国(東京、ホノルル、デリー、キャンベラを繋いだ線がセキュリティダイアモンド構想である)

 日本ではたびたび「安部路線からの脱却」が主張されますが、安部路線はもはや令和の日米の体制(レジーム)の一部になっています。そう、レジームです。かつて安部さんは「戦後レジームからの脱却」と掲げておりました。当時は極右や歴史修正主義者と呼ばれて糾弾されましたが、あれから十数年の月日を経てようやく実を結んだのです。それを実現できたのは日本を過去の歴史から現在、そして未来へ臨んだ「国家観」を持っていたからこそだと思います。

 トランプさんもアメリカの国家観をそれなりに持つ人です。彼と仲がいい国の指導者は安部さんの他にはインドのモディ首相、ハンガリーのオルバン首相、後はロシアのプーチン大統領北朝鮮金正恩総書記など、いずれも国家主義的志向の強めな人達ばかりです(安部さんが国家主義と言っているのではありません)。ひたすら国の垣根を取り去ろうとするリベラル多国主義とは一線を画し、独自の「国家観」をもって対話する。それがトランプ次期大統領のスタンスなのです。

花道はできている

 つまり何が言いたいのかというと、石破政権がトランプ政権とうまくいくには、安倍政権のように国家観をもって、より積極的な防衛戦略を示すことが最良の選択肢になるということです。しかし残念ながら日本の政治家に「国家観」を持っている人材はほとんどいません。だから無難な方法としては「安部路線」を土台にするのが一番良いでしょう。
 実際、アメリカの識者からもそのような提案をされております。アメリカのシンクタンク「ハドソン研究所」のワインスタイン日本部長が産経新聞の取材で安部氏に倣って防衛力強化を提示することを求めました。

ワインスタイン氏は、安倍氏が「自由で開かれたインド太平洋」をトランプ氏に提案し政権の主要戦略として採用された前例に触れ、「石破氏も本格的な防衛計画を提案し、米国と連携しつつ防衛力を増強する意思を示すべきだ」と訴えた。具体的には、台湾防衛のカギとなる日本の南西諸島防衛や北朝鮮への対応、米国向け投資計画を例に挙げた。(出典:「安倍氏にならい防衛力強化の提示を」 石破首相に米ハドソン研究所日本部長が提言,産経新聞電子版,2024.11.7., https://www.sankei.com/article/20241107-4RQOTJIE6RJMNJHZ62PY47RSFI/?outputType=theme_uspe)

 実のところ岸田政権も安部路線を土台にすることで成功しました。発足当時人知れず米中等距離外交を画策し、人知れず破綻してしまった彼ですが、その後は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を土台にすることで日米の連携を強化しました。そして安倍政権時では出来なかった防衛費のGDP2%への大幅増大を掲げるなど、積極的な防衛戦略を立てました。
 そして決定的なのは2024年4月11日に訪米した時に行った米上下両院議会での演説でしょう。その演説で日本はアメリカの「グローバルパートナー」となると宣言して大いに喝采を浴びました。これは即ち2015年4月29日に安部さんが同じ場所で演説した「希望の同盟」の発展形です。繰り返しになりますが日本の自称リベラル識者がどう言おうと、日米は既に安部路線を土台とした新しいレジームにあるのです。
 ただしこの政策は中国にとって都合が悪いものです。7月28日の日米安全保障協議委員会(日米「2プラス2」)に対しては例のごとく怒り「でたらめだ」と主張しました。

日米両政府が東京で開いた外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)などをめぐり、中国外務省の劉勁松アジア局長は30日、在中国日本大使館の横地晃次席を呼んで「でたらめな理屈」などとして厳重に抗議した。(出典:中国外務省、日本側に厳重抗議 日米2+2に不満「でたらめな理屈」,朝日新聞電子版,2024.7.31., https://www.asahi.com/articles/ASS700RFJS70UHBI00LM.html)

 同国はアメリカの衰退に乗じて世界へ影響力を拡大し、あわよくば取って代わろうとしているので、日米が新しい関係で強化されたら困るのですね。その一方で日本との会談においては「新時代の要求に合致した建設的で安定した日中関係の構築」を提案し、経済関係だけでない包括的なパートナシップを求めています。つまり「アメリカか中国か」の二者択一に迫られつつあり、もはや米中等距離外交は成り立たないことがはっきりしているのです。
 ところで最近の12月15日に安部元総理の妻、安倍昭恵夫人が訪米しトランプ夫妻と面会しました。あくまで個人的なものであり、トランプ氏の大統領当選を祝うとともに安部さんを偲んだ会合でしたが、その後トランプ氏は大統領主任前に石破首相と会う決心をしたそうです。

トランプ次期米大統領は、来年1月20日の大統領就任式前に石破茂首相と会談する意向を示した。今年11月に首相が南米を訪問した際には実現しなかったが、方針転換のきっかけはかつて信頼関係を築いた故安倍晋三元首相の妻、昭恵さんとの夕食会だったようだ。(出典:きっかけは安倍昭恵さんとのミートローフ夕食会 トランプ氏、石破首相との早期面会に舵,産経新聞電子版,2024.12.21., https://www.sankei.com/article/20241221-Y3ZCWTEP4ZJHHJLUVS6BFWSHAI/)

 どうやら花道は出来上がったようです。それをものにするかは石破さん次第です。くれぐれもトルドー氏の二の舞にならないようにしてもらいたいものですね。